THE SACRED LOTUS

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Fairy tale~Episode8-6~




 愛を高らかに謳うローリィと、ずっと蓮の片思いを見守り続けてきた社の二人は、心底、嬉しそうに、そして、蓮を揶揄ってやりたいとそんな欲望をチラつかせる笑みを浮かべていた。

 それを見た蓮は反射的に、眉間に皺を寄せる。

「ほほぅ、お付き合いか」

「社長、その笑いは止めてください」

「良いじゃねぇかよ。散々、お前のヘタレっぷりを見守ってきた俺に、良くそんな口が聞けるもんだ」

「……」

「ところで、付き合い云々の前にだ……二人は、いつから知り合いだったんだ?」

 そんな話は俺は聞いちゃいねぇんだがなと続けるローリィに、蓮とキョーコは困ったように顔を見合わせる。

「……10年前の夏、家族で京都に行った事があるんです」

 逸早く、蓮の言葉に反応したのはローリィーだった。

「10年前?」

 ローリィは過去を思い出すように、記憶を探る。

 そして、あぁ、あの時のことかと……その時に起こった騒動と共に思い出した。

「はい。俺にとって京都の風景はそれだけで珍しく色々と歩いてまわっていたんですけど、京都の夏は想像以上に蒸し暑くて、木陰に入ろうと……ちょっとした森と言うか、林と言うか……見つけたので避難したんです」

 懐かしさに蓮は遠い目をする。

「そこには小川があって、風も涼しく、丁度良い、休憩の場だと思っていた時……泣き場所を求めて彷徨っていたキョーコに、その時、出会ったんです」

「……その頃には私は既に不破の家に預けられていました」

 蓮の言葉を受けるようにキョーコはポツポツト話し始めた。

「表面上、板長……不破尚の両親は良くしてくれていたんですが……ある時、聞いてしまったんです。私をいつまで預かってれば良いのかと。正直、子供心にもショックでした。ここにいても私の存在は邪魔でしかないのだと……そう再確認させられた瞬間だったから……」

「…………」 

「だから、率先してお手伝いをしなければと……そうしなければ……ここにもいられなくなると思ったんです。だから、あの頃の私は仲居の仕事も、料理の技術も必死になって修得すれば、少なくとも疎まれないと思ったんです」

 改めて聞く、キョーコの悪辣な環境にローリィたちは、皆、不快そうに眉を顰めた。

「そして、時々、世間体のためか、それとも、ただ単に親としての義務なのか、母は旅館を訪ねてきました。彼女にどんな理由があったとしても、私にとっては母は母で……どんなに怒りをぶつけられても、疎まれても、母に会えることが嬉しくて、嬉しくて……でも、その期待って言うですかね、大きいほど……母に拒絶された瞬間の絶望が酷く苦しかったんです」

 今更、こんなことで泣くまいとキョーコは瞑目して、心を落ち着ける。

「でも、あの頃の私は何も出来ない子供で、拒絶される自分の何が悪かったのか理解できなくて、ただただ泣いてばかりいました。そんな私をショータロ……不破尚にとって……一人息子と言うこともあって、両親にも、従業員達にも可愛がれ、甘やかされて育った彼を羨ましいと思ってないとは言わないですが……そんな彼にとって、母に拒絶されて泣いている私を、どうして良いのか分からないとそんな顔で呆然と見下ろしていました。そして、そのうち、迷惑そうな顔をするようになったんです」

 もしかしてとキョーコは続けた。

「……もしかして、今思えば、それは私の被害妄想だったのかもしれませんが……その時の私はこれ以上“不破家”の人に嫌われたら……それこそ、居場所がなくなると思ったんです。だから、一人で泣ける場所を探すために……森の中へと足を踏み入れたんです」

「そして、蓮と会ったと」

「……はい」

「そうか……10年前に会っていた……か」

 そう言って、ローリィは考え込む。

 そして、顔を上げると社に視線を向けた。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 天音蓮華
 2011.07.21 執筆

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