THE SACRED LOTUS

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ダンデライオン・35




 スタジオ内は、一種、異様な雰囲気に包まれていた。

 勿論、心中複雑なのは社だけではなかった。

 社以外にも事情を知る千織などは気でも狂ったのかと、ギョッとしたようにキョーコを見つめていた。

 だが、何かキョーコなりの考えがあるはずだと、グッと奥歯を噛み締め、その成り行きを見守っていた。

 そんな中、その異様な空間を作り出した張本人である最上キョーコは何も気が付かない様子で、満面の笑みを浮かべて不破尚に近づいて行く。

「わたしはショーちゃんが好き。ショーちゃんはわたしの王子さまなの」

 戸惑いを隠せない尚に視線を合わせ、少し、幼さを伺わせる口調でキョーコは何度か繰り返し言った。

「――私はショーちゃんが好き」

 今度は少し昔の最上キョーコらしい言い方で。

 何度も、何度も、繰り返すようにキョーコは言う。

 まるで歌を歌うように。


「私は、ショーちゃんが好き。だって、ショーちゃんは私の王子様だから。だから、ショーちゃんがいれば何もいらないの。どんなことでも――耐えられるわ」

「……キョー……コ?」

 いつもとは違うキョーコの雰囲気に、流石に尚も気が付いていた。

 常であれば、悪鬼の如く表情を変え、自分に絡んでくるキョーコ。

 それが、今日はどうしたことか?

「……キョーコ? ……お前、まだ“役”が抜け切れてないのかよ」

 それじゃ、俺が詰まらないと尚は不機嫌に言い切れば、キョーコはケタケタと声を上げて笑い出した。

「そう思いたければそう思っていれば良いわ。でもね、“ナツ”は“最上キョーコ”の一部なの。だから、今の私は、間違いなく“最上キョーコ”なんだよ」


――ナツだけじゃない。

 未緒も、雪花も――あの時の堕天使も“最上キョーコ”の一部だから。

 私自身は何も変わっていないのよ、ショーちゃん。


「ハッ! 普段のお前なら……」

「……ショーちゃん。可哀想」

「あぁ?」

 突然、キョーコに眉根を寄せ、心底、同情するとでも言うような態度で言われ、尚は激しい怒りを覚えた。

「ショーちゃんは、監督の言う通り、本当に何も分かってないお子様だよね……昔も、今も、全く成長してないね、人として」

 本当にショーちゃん可哀想ねとキョーコは呟いた。

「な、んだと、キョーコ、テメェは!」

 キョーコに憤怒の顔で掴みかかろうとする尚だったが、キョーコはひらりと躱す。

「――私はショーちゃんが好き。だって、ショーちゃんは私の王子様だから。だから、ショーちゃんさえいれば何もいらないの。どんなことでも、耐えられるわ」

 キョーコはニィーッと口の端を上げた。

 それは過去一度として、見た事がないキョーコの笑い。

 昏い、暗い、何の感情も見せない冷たい瞳と、歪められた口元。

 そんな笑顔をまともに見た尚と祥子は、一瞬、身体を震わせた。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 天音蓮華
 2011.12.04 執筆

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