THE SACRED LOTUS

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ダンデライオン・36




 昏い笑みを浮かべたままキョーコはショーの顔を覗きこむ。

「ねぇ、ショーちゃん」

「……」

「貴方は本当に私がショーちゃんのことを好きだったと今でも思っているの?」

「な、に?」

「おめでたいね、ショーちゃん。本当に笑っちゃうくらいおめでたいよね」

 そう言って、目を細め、絶句する尚を見つめ、それから堪らないとばかりにキョーコはクスクスと笑い出すと、尚は蒼白に顔色を変えた。

 そんな尚を見てキョーコは仕方がないなぁと呟く。

「この際だから、分かり易いように最初から最後まで、全部教えてあげた方が良いのかしら?」

 キョーコは困ったように溜息を吐き出した。

「あぁ、でも、一番最初ってどこからかしら? う~ん、そうだなぁ、ショーちゃんは知ってるよね、私は父親の顔を知らないし、母親は私を憎んでるって」

 そう言った瞬間、尚だけではなく、スタッフ達も皆、驚き、身体を強張らせる。

「それにあの人は、ショーちゃんの両親に養育費を払えば、それだけで親としての義務を全うしたと思っている、所謂、ネグレクトだって知ってるよね?」

「……」

 妙に明るく言い切ったキョーコに尚は何も言えず、一瞬、顔を歪める。

「……いつからだったかなぁ、私がショーちゃんの家に預けられるのが当然のようになってきたのは……少なくとも幼稚園くらいには私はショーちゃん家にいることが殆どだったよね」

 キョーコは一人、懐かしそうに目を細めた。

「女将……ショーちゃんのご両親はさ、自分の家だと思って、いつまででも居て良いって言ってくれたりして、母親の帰ってこない家にいるより、ずっと、ずっと私は楽しかったし、幸せだったんだよ」

 キョーコは一人、しゃべる続ける。

「でも、それって幻想なんだって直ぐに思い知らされたの。“ここに居ても良いよ”って言う言葉は、所詮、社交辞令なんだってね」

「え?」

「表面上のことだったんだよ。本当は私のこと、疎ましいって思っていたのよ、ショーちゃんのご両親も」

「……そんなことは、ねぇだろ? お袋とか、お前のこと、すげぇ可愛がってたじゃねぇか!」

 信じられないと言う顔で、尚はキョーコを睨みつけた。

「お前は、いつだってお袋たちのお気に入りで! お前がそんな風に思ってるなんて知ったらッ! クソッ! 本当にキョーコ、テメェは恩知らずに成り下がったのかよ!?」

 怒鳴り散らす尚をキョーコは憐れみの眼差しで見つめ返した。

「……今も昔も本当にショーちゃんは自分のことしか興味がないんだね。だから、真実を、ううん、私の事を知ろうともしないんだ」

「あぁ? 何を言ってやがる!?」

「“今年はいつまでいてるんや?”」

 尚の言葉を遮るように、少し強めの口調でキョーコは言った。

「え?」

「ショーちゃんのご両親が陰で言ってた言葉の一つだよ。時には迷惑そうに、時には呆れたように溜息混じりにね。私はね、知ってたんだ。私にはいつまでも居て良いって、自分の家だと思ってねって言った後、私が見えない陰ではそう言ってたのを私はよ~く知ってるの」

「嘘だ! そんなこと、俺は知らない……そんな話……聞いたことねぇよ!」

「うん、そうだろうね。ショーちゃん知らない。だって、ショーちゃんは自分のことしか興味ない人だから」

 そう言って、キョーコは困ったように微笑んだ。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 天音蓮華
 2011.12.07 執筆

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