THE SACRED LOTUS

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ダンデライオン・38




 静まり返るスタジオに響くのは淡々と話し続けるキョーコの声だけだった。

「私がショーちゃんの家に預けられていること。それが周囲にとってはとても許せないことだったみたいだし」

「……な、んで、言わなかった?」

「……何を?」

「何で、俺や、親父たちに“虐められてる”って言わなかったんだよ!」

「……言っていたら、何か変わったの?」

 懐疑的に問うキョーコに尚は怒りを顕にした。

「当たり前だろ! 言ってくれたらッ!」

「変わらなかったって私は断言できるわ。ううん、それ以上に陰湿になっただろうってなって簡単に予測できる」

「キョーコ!」

「それに! ショーちゃんも、女将さんたちも本当は気が付いていたんでしょ? 私が虐められてることに。ただ、見て見ぬ振りしてきただけじゃない?」

「キョーコ! ふざけんなよ、俺は……知らなかっただけだ!」

「……嘘つきね、ショーちゃんは」

「俺は嘘なんてついちゃ言ねぇよ!」

 顔を真っ赤にして詰め寄る尚にキョーコは溜息をついた。

「……それもまた、ショーちゃんにとっての真実なのかもしれないわね」

「おい!」

「教室内に散らばった教科書やノート、私の私物。ひっくり返されたお弁当箱と、その中身」

「え?」

「ショーちゃん、貴方はそんな光景を何回見たことある?」

「……え?」

「その度に、“キョーコ、お前何やってんだ?”ってショーちゃんは不思議そうに聞いてきたよね。それを……周囲にいた女の子たちが“私がドジをしてひっくり返しちゃったの”って笑って答えてた」

「……」

 思い当たることがあるのか、尚は眉間に皺を寄せむっつりと黙り込む。

「……流石にそれは覚えてた? ショーちゃん、その度に“キョーコは馬鹿だな”って同じように笑ってたよね。私が休み時間のたびに走り回って、あっちこっちのゴミ箱を漁っていたことも知ってた?」

「……」

「いつも誰かが、私の教科書や私物を盗んで捨ててたの。それでね、無くなって焦ってる私を見て、女の子達はクスクス楽しそうに笑ってたわ」

「……なぁ、キョーコ、何で何も言わなかったんだよ。俺じゃなくたって……お袋は、お袋はさ、よくお前や……俺にも聞いてたじゃねぇか、“イジメ”を受けてないかって」

「そうね、いつも物を無くす私を女将さんは度々心配してくれてた。でも、私は“そんなことない”って否定する以外の選択肢を持ってはいなかった」

「だからッ! 何でッ!」

「何で? 決まってるでしょ。あの時、否定以外の言葉なんて言える雰囲気じゃなかった。“虐めらてへん?”って良く言われたけど、私には“虐められてへんやろね?”って言う念押しに聞えてたの。だから、私が“大丈夫”、“そんなことない”って答えるしかなかった。その時の女将さんのホッとした顔――厄介事が回避できた喜びとその安堵した顔を見るたびに絶対に肯定なんて出来ないって思い知らされたわ」

 そう言って、キョーコは目を伏せた。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 週末は予定があり、更新できません。
 一応、次回の更新は12日になります。

 天音蓮華
 2011.12.09 執筆

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