THE SACRED LOTUS

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ダンデライオン・43




「それだけじゃない。例えば、ショーちゃんは貰ったお小遣いを直ぐ使いきって、私からお金を度々奪っていったわよね?」

 淡々と過去の事例を挙げるキョーコに、尚は気まずそうに顔を顰める。

「べ、別に奪ったわけじゃないだろ? あれは貸してもらっただけじゃねぇか!」

「……でも、返してもらったことは一度もないわ」

「……それは、お前が別に良いって言ったからで、それにもう……時効だろ? 昔のことなんて!」

 不機嫌も顕に叫ぶ尚をキョーコは冷やかに見つめた。

「時効ね。相変わらず、自分の都合が悪いことから目を逸らすんだね。今更、返金なんて望んじゃいないし、別にどうでも良いけど……」

「別に返金しないなんて言ってねぇだろッ!」

「だから、そこは別にどうでも良いって言ってるでしょ? 話を戻すわ」

 バッサリと尚の言い分を切って捨てたキョーコに尚は目を見張る。


――昔のキョーコなら、少し前のキョーコなら。

 何度も頭の中を駆け巡る言葉。

 昔だったら何も言わなかった。

 少し前のキョーコだったら、怒り狂ったように自分に詰め寄り、勢いよく噛み付いてきたはずなのに……何故、何故だ?

 急に無機質なキョーコになったのは……。


――誰の所為だ?


 脳裏に浮ぶのは天敵の男の顔。

 やたらキョーコが懐き、やたらキョーコに構うあの男の顔。


 思わず、許さねぇと奥歯を噛み締めた。


「お小遣いの件だけど、私にだって欲しい物も、必要な物も、当時だってあったのよ。でも、ショーちゃんが寄越せって言って奪っていったじゃない。本当はイヤだって思った時だってあったわ。でも、使って良いよって、そう言うしかなかっただけなの。私がショーちゃんの“我儘”に素直に付き合わなければ、女将さんたちだけじゃない。従業員達も私を非難するから。だから、初めから何一つ、私にはショーちゃんを拒否すると言う選択肢なんてなかったの」

「……う、そだ!」

「嘘じゃないわ」

 キョーコは瞑目し、息を大きく吸った。

「居候の癖に、居候の癖に、居候の癖に」

 スタジオ内の空気が更に何とも言えない重々さを醸し出す。

「“なんで、坊ちゃんの言う事を聞かへん? そんな権利、お前にあると思うてへんやろな?” 。従業員達にも、ことあるごとにそう言われ続けてきたわ。少しでも不満そうな顔をしただけでね。だから、私はいつだって嫌な顔せず、ひたすら笑顔で分かったって言うしかなかったのよ」

 淡々と話すキョーコに社も、千織も、安南も、否、尚と祥子以外の誰もが、彼らの不破尚やその周囲の人間たちの理不尽さと傲慢さに怒りを覚え、殺気だった瞳で不破尚を睨みつけていた。

「でもね、今だから言うけど、あの頃の私はそれを理不尽なことだなんて感じていなかったわ。だって、仕方がないじゃない? それが私の世界で、それが常識で、そして、私が居候であると言う事実は間違ってなかったし、仕方がないなって思ってたの。だから、ショーちゃんの言うことは、どんな内容でも“YES”って答えるしかなかったんだ」

「……」

「それが二つ目の理由よ」

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 天音蓮華
 2011.12.19 執筆

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