THE SACRED LOTUS

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Fairy tale~Episode10-11~




 ――虐待。


 そう断言した瞬間から、ローリィの身体からじわりじわりと発せられる底冷えするような怒りのオーラにキョーコは飲まれた。

「客観的事実に基づいて見れば君は虐待されてきたと一般常識を持つ者全てが判断するだろう。もしくは鬱憤ばらしの生贄とでも言うべきか。そんな環境に君は5歳前後の頃から中学卒業まで晒されてきたわけだ。そして、卒業後は不破尚にとって都合が良い金づるとしてな」

「……」

 その言葉にキョーコは奥歯を噛みしめる。

「当時、そんな状況を欠片もキョーコは可笑しいと感じなかったのは、何故だ? キョーコが心の底からその環境が当たり前のことだと認識していたからに過ぎない。世間一般の常識、環境と自分が置かれている常識、環境の異差をキョーコが知ることなく来たのは、間違いなく、不破家の躾という名の洗脳の成果だろうよ」

「洗脳って、その言い方は少し……あんまりなのでは? それに虐待と言われますが、別に私は板長とかに理不尽に殴られたこととかありませんし」

 困ったように反論するキョーコにローリィは嘆息する。

「ほら、君はわかっていない。全然、全く、わかっていない。キョーコ、君は虐待されてきた自覚がないのは正直問題だな。良いか、キョーコ。直接的な暴言、暴力だけが虐待ではないんだ」

 優しく諭すようにローリィはキョーコに言う。

「日々の中で君は多くの人に貶められてきたことに気づくべきだ。例えば、同級生たちは子供だった故に、直接的な暴言、暴力が主だったのだろう。子供だから体面など気にしたことがないだろうからな。だから、比較対象として直接的な行動ではなかった不破家の関係者たちがしてきたことに気付けなかったのかもしれない。だが、確実に彼らに悪意があったと俺は断言するよ」

「……」

「日常において、それは優しい言葉に聞こえたかもしれない。一見、それは君を思いやっている態度に見えたかもしれない。だが、表面的な優しさに隠された悪意ほど、卑怯、卑劣な、心身を脅かす猛毒になるものはないんだ。君にわかりやすく例を挙げるならば、前に昌弥氏が来た時に蓮が言っていただろう(※1)」

「え?」

「君は誕生日に誕生日として祝ってもらったことがないと。確かに調べた結果、不破家では24日にクリスマスと一緒に君の誕生日も祝ってたようだ。だがな、あの時の蓮の言ったように、何も24日ではなく、25日でも良かったはずだ。もちろん、世間一般的にはクリスマスとイベントで盛り上がっていようとも、旅館と言う客商売が書き入れ時で忙しかろうとも、年末年始が目前であろうともだ。たった数時間、24日にとれる時間を25日に変えることだってできたはずなんだ。それをしなかったのは悪意があったからじゃないのか?」

「……でも、それは……」

 当たり前のことだと疑問にすら思ったことも、不満を持ったことがないことを、こうやって異議を唱えられ、キョーコは混乱する。


――社長たちはあの時期の旅館の忙しさを知らないから。


 そう反論しようと思った。

 でも、何故か、キョーコは何も言えず、押し黙ってしまう。

「違うというならば、あの時、蓮も言っていたが、何故、不破尚は未だに“キョーコの癖に”と君を詰るんだ? 君を自分の“物”だと恥ずかしげもなく公言するんだ?」

「それは……」

「答えは既に出ているだろう。隠された悪意はそこにあったんだ。キョーコ、君は虐待されていたんだよ」

 そう断言したローリィを始め、両主任、社と、蓮が憐れそうにキョーコを見つめた。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

※1
Fairy tale Episode3-5~3-7を参照


 天音蓮華
 2014.05.15 執筆

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