THE SACRED LOTUS

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Fairy tale〜Episode5-5〜




「初めはね、俺も君があの時の“キョーコちゃん”だってことに気が付かなかった」

 キョーコは咄嗟に蓮を見上げた。

「…………いつ、私だと気が付いたんですか?」

「……階段の下で、君が持っていた“コーン”を、あの日の別れ際、俺が君にあげたアイオライトを拾った時に」


 ――思い出すのは、落ち込んで事務所の階段に座り込んでいたあの日。

 椹さんに突然声を掛けられて、驚いて、落とした“コーン”。

 それを拾ってくれた敦賀さん。


「そんな……前から?」

「……ごめん。ずっと言い出せなかった」

「り、理由を聞いても、良いですか? 何となく、敦賀さんが言えなかった理由は分かってると思います。でも……ちゃんと知りたい、です」

「うん。建前は過去を持ち込まないと誓っていたから。でも、本音は……」

 蓮の身体が震えた。

「……君には俺が“コーン”だと知られたくなかった。恐かったんだ。君にとって“コーン”は妖精の王子様で、とても綺麗な思い出だと分かっていたから……そんな綺麗な思い出を俺が汚すわけにはいかないと思ったんだ」

「そんなこと……」

「恐かった、君に拒絶されることだけが……恐かった」

「私は……拒絶、なんて……」

「温和で紳士な敦賀蓮。それは虚像だ。本当の俺じゃない。俺自身、それを誰より分かっているからこそ、何も言えなかった。君が……軽井沢で、“コーン”のことで泣いたこと、あっただろう? 話を聞いて上げれば良かったって」

「あ、はい」

「それを聞いたら、尚更、何も言えなくなった。君にとって、今でも、いつまでも、“コーン”は優しい妖精の王子様なんだと改めて思い知ったからね。君には綺麗だった頃の“俺”を覚えていて貰いたかった。でも、“コーン”と“今の俺”を同一視されたくもなかった」

 思い詰めたように言う蓮にキョーコは言葉を失った。

「俺はね、自分の至らなさを全部周囲の所為にしていた。とても傲慢で愚かだったんだ。そして、俺は壊れていった。そんな俺を見かねたのが父でね。父が社長に助けを求め、俺は社長の手を取って日本に逃げて来たんだ、俺は」

 キョーコは掛ける言葉がなく、ただ、蓮の手をギュッと握り締めた。

 そして、そんなキョーコに蓮は微笑んだ。

「全部を捨てて、一から“敦賀蓮”として生きることにした。“俳優”として生きていけるなら、他は望まないと、過去を持ち込まないと心に決めて。そんな卑怯な男が……妖精の王子様はないだろう?」

 そう言って蓮は自嘲する。

 *:.。. .。.:*・゜゚・*☆

 天音蓮華
 2011.06.15 執筆
 2011.06.24 加筆修正

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